超音波検査はいまや聴診器や血圧計と同じように日々の診療に欠かせないツ−ルとして使われています。超音波検査が最も得意とする領域は”沈黙の臓器”と呼ばれる肝臓や、胆石症、胆嚢ポリ−プなどが多彩な所見を示す胆嚢、そして無症状のうちに病変が進行することの多い膵臓などを挙げることができます。そのほかに腎臓や膀胱、前立腺など泌尿器に関連する領域や重要なホルモンを分泌する副腎、あるいは腹部大動脈、下大静脈などの大血管、場合によっては小腸、大腸なども超音波で調べることがあります。いわば腹部全体が超音波検査の守備範囲であるといえます。
腹部超音波検査は胃や腸の内容物やガスにより大きな影響を受けますので、検査をご希望される方は朝食をとらずにご来院ください。
乳がんは近年、増加の一途をたどり、女性の代表的な悪性腫瘍として認識されるようになりました。疫学的調査によりますと、乳がんは40歳代後半の比較的若い年代に発生のピ−クを示しますが、がんが手に触れてわかるような大きさ(直径約2cm)に発育するまでに、遡ること10年を要するとの考えがあり、専門家の間では30歳代の女性に発生する小さながんを如何にして早期に発見し、どう適切な治療に結びつけられるかが大きな関心事になっています。
ところで、乳がん検診といえばマンモグラフィ−のメリットがメディアでも大きく取り上げられ、多くの耳目を集めていますが、現在のところマンモグラフィ−を扱っている医療施設がまだまだ少ないこと、モンマグラフィ−の所見を判定するための専門資格を持った医師も少ないことなどの理由で、検査を希望されている方々に色々とご不便がかかっているようです。
一方、乳腺超音波検査は簡単に受けることができるというのが最大の魅力です。最近、診断に関するガイドラインも発表され、異常が発見されたときの判定基準やその対応についての一定の指針が示されています。当院ではこのガイドラインに沿った内容で乳腺超音波検査を判定し、高度な異常があると判定された場合には、速やかに専門医療施設(大学病院レベル)をご紹介申し上げています。乳腺超音波検査は初診の方でも随時、検査を受けることができますので、受付にて乳腺超音波検査御希望とご用命ください。
頚部超音波検査は甲状腺や頚部リンパ節、頚動脈などが主な検査の対象になります。甲状腺に腫瘍があると指摘された方、頚のあたりのしこり、あるいはリンパ節が腫れていることに気が付かれた方は、まず超音波検査で問題の部分がどのような状態であるかを判断させていただきます。頚部超音波検査は随時、受け付けております。
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